はじめに
誰しも健康と予防は大事だと知っているが、多くの人は他の事を優先しがちで、病気になってから後悔して、失ったものの大切さに気がつく事が多い。
世界的な大企業を作り、iPhoneを生み出したスティーブ・ジョブズもその一人だった。彼の最後の言葉(全文)をここに引用したい。
「私は、ビジネスの世界で、成功の頂点に君臨した。他の人の目には、私の人生は成功の典型的な縮図に見えるだろう。しかし、仕事をのぞくと喜びが少ない人生だった。人生の終わりには、富など、私が積み上げてきた人生の単なる事実でしかない。
病気でベッドに寝ていると、人生が走馬灯のように思い出される。私がずっとプライドを持っていたこと、認められることや富は、迫る死を目の前にして色あせていき、何も意味をなさなくなっている。
この暗闇の中で、生命維持装置のグリーンのライトが点滅するのを見つめ、機械的な音が耳に聞こえてくる。神の息を感じる。死がだんだんと近づいている。。。。
今やっと理解したことがある。人生において十分にやっていけるだけの富を積み上げた後は、富とは関係のない他のことを追い求めた方が良い。
もっと大切な何か他のこと。それは、人間関係や、芸術や、または若い頃からの夢かもしれない。終わりを知らない富の追求は、人を歪ませてしまう。私のようにね。
神は、誰もの心の中に、富によってもたらされた幻想ではなく、愛を感じさせるための「感覚」というものを与えてくださった。私が勝ち得た富は、死ぬ時に一緒に持っていけるものではない。
私が持っていける物は、愛情にあふれた思い出だけだ。
これこそが本当の豊かさであり、あなたとずっと一緒にいてくれるもの、あなたに力をあたえてくれるもの、あなたの道を照らしてくれるものだ。
愛とは、何千マイルも超えて旅をする。人生には限界はない。行きたいところに行きなさい。望むところまで高峰を登りなさい。全てはあなたの心の中にある、全てはあなたの手の中にあるのだから。
世の中で、一番犠牲を払うことになる「ベッド(賭け)」は、何か知っているかい? シックベッド(病床)だよ。
あなたのために、ドライバーを誰か雇うこともできる。お金を作ってもらうことも出来る。だけれど、あなたの代わりに病気になってくれる人は見つけることは出来ない。
物質的な物はなくなっても、また見つけられる。しかし、一つだけ、なくなってしまっては、再度見つけられない物がある。人生だよ。命だよ。
手術室に入る時、その病人は、まだ読み終えてない本が1冊あったことに気付くんだ。「健康な生活を送る本」
あなたの人生がどのようなステージにあったとしても、誰もが、いつか、人生の幕を閉じる日がやってくる。
あなたの家族のために愛情を大切にしてください。あなたのパートナーのために、あなたの友人のために。そして自分を丁寧に扱ってあげてください。他の人を大切にしてください。」
これを読んであなたは何を感じただろう…
自分の今後の人生をどう生きるかをもう一度考えて、家族との絆を大切にするもよし、健康診断を受けてみるのもよし、更に踏み込んで、生活習慣を見直しするのも良しである。今後の人生を幸せに過ごすために、一人でも多くの方に健康増進と病気予防に目覚めていただき、私たちがそのお手伝いができればと考えています。
今の日本の平均寿命は世界トップレベルですが、健康平均寿命とは約10年の差があり、人生の終末を多くの人が、病院や寝たきり介護状態になっています。
これを改善し、尊厳を持って最後まで健康長寿を全うするために必要な事を、伝えていきたいと考えています。
その第一歩が、お口の健康の確立です。そこから健康長寿ははじまります。
私たちが提唱する健康長寿歯科の考え方は、歯科治療を通じて予防の大切さに気がついた方だけでなく、人生を健康で自分らしく全うしたいと考えている方、アンチエイジングや美容に関心のある方々にもお届けしたい内容です。
従来の医療では得られなかった、根本原因を追求した最新の研究に基づいたエビデンス情報を収集しています。ここで得た知識をもとに皆様にあった情報提供や食事指導をやっていきます。
がんにならないために
人生100年時代と言われるようになり久しいですが、1981年に死因の第1位ががんとなり、将来はふたりにひとりが癌になるという予想がされています。
がんの種類別には、かつては日本人に多く見られた胃がんが減少し、代わりに肺がん、大腸がんが増えてきています。
これらの変化は何を示しているのでしょうか?
戦前の日本では胃がんを除くがんはまだ珍しい病気でした。戦後、欧米の文化が入ってきて、日本人の生活が大きく変わってきました。
私たちの体は食べたもので出来ています。私は食生活の急激な変化ががんの発症数の増加に関係していると考えています。
1868年から多くの日本人がハワイに移住しました。彼らは日本人でしたので、はじめは胃がんが多かった(胃がんの発症率は欧米の約5倍)のですが、食生活が現地のものへと変わっていった結果、胃がんが減り大腸がんが増える結果となりました。
このことから、がんの発生は人種や遺伝によるものではなく、生活環境、特に食事によるものであると考えられるようになりました。近年の日本の食文化も欧米化してきた事が、大腸がんの増加につながっていると考えられます。
この考え方は、近年の分子生物学の発展により、学術的に証明されつつあります。
胃がんが日本人に多いのは、胃がんを引き起こし易いピロリ菌の保有率が高いことと、日本食は塩分の多い食事で胃粘膜の炎症が起こりやすい事が原因として挙げられています。
その他のがんが増え始めたのは、1960年代以降になります。ちょうど高度経済成長期と重なるのですが、何が起こっているのでしょうか?
生活がどんどん便利になり、消費社会へと変わって行きました。食品も便利で手軽で安くて美味しいものが求められるようになり、その結果、化学の力を借りた食品添加物まみれの食材が大量に出回り、日持ちせず、製品化するまでに手間のかかる昔ながらの手作りの商品は、姿を消して行きました。
人工甘味料、着色料、保存料、増粘剤、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防カビ剤等と現在約1500種類の添加物が日本の厚生労働省によって認可されています。これは国によって異なり、海外では禁止・制限されている添加物が日本では使われているケースが多くあり、日本は添加物天国になっています。食品添加物とがんの増加には関連があり、これまで数多くの添加物が動物実験による発がん性の確認によって認可が取り下げられています。
したがって、出来るだけ食品添加物の少ない食材を選ぶ事ががん予防の第一歩になると、私は考えます。
2020年以降から食品の裏面に書かれている原材料名を見たときに、/(スラッシュ)以降に食品添加物を記載する事が義務付けられているので、ここを見ると何が使われているかわかります。出来るだけ添加物の少ないものを選ぶようにしましょう。
しかしながら、現実には加工食品のほとんどに添加物が使われています。そうしないと安全性が確保されないからです。お店に並んでからずっと悪くならないコンビニ弁当、いつまでもみずみずしいカット野菜など、おかしいと思いませんか?
私たちの生活に深く入り込んだ、簡単、安い、美味しい食材は添加物の力を借りないと実現不可能です。手軽さは健康とトレードオフの関係にあると考えてください。
また、添加物により濃いい味付けに慣らされてしまったために、味覚異常が多くの人に認められています。
このように生涯の健康維持のためには、食の改善と知識教育が必要不可欠です。それを行えるのは、私たち歯科医療従事者であり、お口の健康獲得の延長線上にあるものと考えます。
保険医療でどこまで健康を保てるのか?
今の保険医療制度の基本的な考え方は、病気があってそれを治療するというスタンスです。症状や検査数値に異常が無ければ、保険診療は出来ません。
治療といってもその根本を治すのではなく、その多くは対症療法です。
例えば高血圧の治療は降圧剤の服用となりますが、数値を正常値にするだけの治療なので、根本原因は解決されず、永遠に薬を飲み続けなければいけません。
高血圧の診断基準の数値は1960年代までは年齢+90とされていましたが、1999年WHOが基準を140/90と大幅に引き下げる基準を提示したため、日本高血圧学会も140/90に基準値を変えました。このガイドラインによると血圧が130超えてくると、心筋梗塞や脳卒中、認知症のリスクが増えていくことから、降圧剤の服用が勧められています。
血圧は年齢の増加とともに、血管の動脈硬化の度合いが増すために血圧が高くなるのですが、今回のガイドラインでは全く考慮されていません。高齢者においては、降圧剤で血圧を下げることで死亡リスクが上がったり、脳への血液循環が弱くなることで認知症のリスクを上がる場合があることも報告されています。
風邪で熱が出た時には解熱剤が処方されますが、熱を下げて体を楽にするために出すだけで、風邪のウイルスには効果がありません。むしろ熱を下げて免疫反応を遅らせるため、治りが遅くなります。
薬物は体の中で代謝され排泄されますので、薬を飲み続けることは、肝臓や腎臓に負担をかけ、悪くなるデメリットがあります。
歯科の世界も同様に虫歯や歯周病という疾患が起きてから、治療になります。保険診療では十分な時間をかけて治療を行うことが難しいので、再発リスクが高くなります。治療は対症療法が中心なので、再発と再治療を繰り返すことになり、再治療を繰り返すほど治療成績が悪化するので、最終的に歯を失う結果につながります。
これらの悪循環を断ち切るためには、予防の導入が必要不可欠です。予防目的で通う場合は自費診療になります。今の保険制度の中では原因を治す根本治療となる予防教育ができません。
予防に優る治療無し
人間の体には命を守るシステムが備わっています。予防とはそのシステムを活性化させ、十分に機能するように手助けをする方法です。
がんは発生してから、少しずつ成長し、検査で検出される(発症)までに15年くらいかかります。その間進行しないように、守る方法が予防です。
発症後は、がんの種類や進行ステージにもよりますが、5年くらいかけて治療をしていくことになります。通常は抗がん剤治療や放射線治療、除去手術を受けることになります。これらの治療はがん以外の健康な体の細胞をも痛めることになり、苦痛や生活の制限、そして多額の治療費が必要になります。
悪くなってから、治療にお金をかけるよりは、悪くならないためにお金を投資する方が、ずっと体のためになります。
虫歯や歯周病はお口の中にいる常在細菌によって起こりますが、薬で除菌するやり方は、腸内細菌にも大きな影響を与え、その結果、体の免疫力を弱めてしまいます。
私どもは、3ヶ月に1回の心地よい定期的クリーニングでお口の中のバイオフィルムを隅々まで取り除き、ばい菌の病原性を弱めて病気を予防するやり方を推奨しています。
有害菌に積極的にアタックする方法としては、抗生物質ではなく、体に無害なロイテリ菌を経口投与して、細菌で細菌を制する方法を推奨しております。ロイテリ菌は腸内細菌叢も整えてくれる働きもあるので、体調やお通じが改善して喜ばれております。
もう一つ、未病の段階で発症させないという、アプローチ方法があります。
体のそれぞれの臓器は固有の振動数を持っています。具合が悪くなった臓器は振動数が本来の数値から外れて行き、体の調和がみだれていきます。ロシアで開発された波動計測の機械を使うと、症状が出る未病の段階で、波動がはずれた調子の悪い臓器を見つける事ができます。ずれている臓器に逆波動をかける事で、本来の振動数に改善調整することで、発症を防ぐ事ができます。
お口の健康から始まる健康長寿
以前から歯科の世界では、病巣感染といって虫歯や歯周病によって起こる病巣の菌が、血流にのって体のあちこちに行って悪さをするということが知られていました。
分子生物学の発展により、DNAレベルで細菌の検知が可能となり、新たな知見が得られつつあります。
たとえば、P.G.菌という歯周病菌が歯茎の中から血管内に侵入して体をめぐり、さまざまな臓器に行って、以下の病気と関連していることが明らかになってきました。P.G.菌は血液脳関門を通過して、脳内にも侵入していることが知られています。
- 糖尿病
- 動脈硬化(心筋梗塞・脳梗塞)
- 骨粗しょう症
- アルツハイマー型認知症
- 関節リウマチ
- 誤嚥性肺炎
- 早産・低体重児出産
虫歯や歯周病が放置されていると、食事を満足に取ることができなくなり、免疫力の低下や細胞の新陳代謝不全をおこし、深刻な病気を引き起こす原因となります。
口腔内で多量の細菌が繁殖し、誤嚥性肺炎を引き起こすリスクが非常に高くなります。
また、咬む機能の低下により低栄養やサルコペニア(筋肉減少症)を引き起こし、認知症や要介護状態となるリスクを高めるなど、全身の健康と密接に関わっています。
100年続く笑顔と生きがいの創造
価値観の変化
このところ大きく社会構造が変化して来ています。工業化社会から情報化社会へと社会が変化しました。
かつての高度経済成長時代は物に価値を置く時代でしたが、現在は人とのつながりやお金よりも人に価値を置く時代に変化して来ています。
今の若者は、頑張っても報われない、将来は保証されていない、そして、お金に関しては20歳の97%は不安を感じています。
これからは自分に投資をして自分磨きをする時代へと変わってきています。
情報化社会は、多くの情報で溢れかえっています。ここで重要となってくるのが、正しい情報を見極める目を持つ事です。何が価値ある情報で、何が不必要な情報なのか見極める能力が問われます。見極める能力が価値となる時代になったという事です。
医療の世界でもこれは例外なく起こっています。エビデンスに基づく医療が2000年頃から重要視される様に成りました。日々の研究成果によって常にアップデートされています。今までは病気をいかに治すかに重点が置かれてきましたが、情報化社会においてはいかに病気にならない様にするかという予防に重点が移りつつあります。
歯科は治療で対応していくと、最終的には歯を失ってしまいますので、特に予防が重要な分野となります。
これまで私は、エビデンスに基づいた丁寧な治療を行い、メンテナンスをする事で歯が長く持つことを多くの症例で経験してきました。WEのクリーニングを定期的に受けることで、口腔内環境が改善し口腔内がより健康になることを経験しました。
口腔の健康が密接に全身の健康とつながり、食が体の健康長寿に密接に関係しているエビデンスが次々と明らかになってきている事から、WEで作った笑顔創造の先に、100年続く笑顔と生きがいを創造する道がある事に気がつきました。
IgG抗体の検査をする事で、普段食べているものの中で、自分に合う食べ物と避けた方がよい食べ物がわかります。
食品添加物の正しい知識を持つ事で、出来るだけ取らないように減らすことが出来ます。食を見直すことで、10年後20年後の病気のリスクを減らすことができるのです。
今は寿命>健康寿命の状態で、両者の間には10年くらいの差があります。寿命=健康寿命にできれば、最後まで生きがいを持って生活することが可能となります。私たちは一人でも多くの方にそうなって欲しいと願っています。
検査数値の闇
人間ドックや検査結果の数値はどのような基準で決められているのでしょうか?
その多くは学会や研究データに基づき決められています。
血圧などは、単純に数字で線引きできる物では無いのですが、別のところで述べたように数字の移動で簡単に患者数を増やすことができてしまいます。
日本高血圧学会は正常血圧の範囲を140/90としていますが、日本人間ドック学会では、147/94となっており、学会間でも異なっています。
動脈硬化の検査ではLDLコレステロールの値が120mg/dl以下とされていて、140mg/dlを超えると動脈硬化のリスクが上がるため治療が必要とされており、悪玉コレステロールと言われています。これは日本独自のもので、海外では悪玉コレステロールという言葉は存在しません。
最近の研究では、動脈硬化をもたらすのは、ホモシステインという物質で、それが血管内壁を傷つける事で、その傷を修復して治そうと、LDLコレステロールが集まってきていることが分かりました。本当の犯人はLDLではなくホモシステインだったのですが、今だに日本では健康診断でホモシステインを計測する事なく、LDLの数値を指標に患者に対してコレステロールを下げる薬を投与し続けています。
多くの人々は年と共に服用する薬が増えていき、飲み合わせの問題や副作用の問題、代謝臓器に負担をかけて、薬害につながるケースも出てきています。生活習慣病の薬のほとんどは、対症療法として出されているものなので、病気そのものは改善せず、ずっと飲み続ける必要があります。その薬を本当に飲み続ける必要があるのか、一度考えてみることをお勧めします。
乳がんが増えた理由
母乳と牛乳の違い
牛乳の乳糖を分解できる酵素を8割の日本人は持っていません。生物学的に見て、母乳は乳幼児に必要なものであり、母乳栄養で育った子供の方が腸内に良好な細菌叢が作られ、免疫力も高く、アレルギーや成人後の病気のリスクが少ないことが知られています。
牛乳に多く含まれるタンパク質は、A1カゼインといって、母乳のカゼインとは異なり、腸管に炎症を起こすことが知られていますが、母乳は腸内炎症を起こしません。
日本で牛乳が飲まれるようになったのは、戦後アメリカ軍がアメリカの牛乳を日本に持ち込み、学校給食に牛乳を導入してからです。ここで日本の食生活は大きく変わりました。
牛乳は脂肪分が多く健康的ではないので、低脂肪乳というものがわざわざ作られています。成長期の子供達や骨粗鬆症予防として牛乳がカルシウム摂取源として勧められてきましたが、カルシウムはビタミンDが無いと消化管から吸収できないことがわかったため、ビタミンD配合の牛乳も売られています。
こうして、なんとか牛乳を消費してもらおうと、乳製品会社はあれこれと手を尽くして来ました。本当にここまでして私たちは牛乳にこだわる必要があるのでしょうか?
近年の研究により、乳がんの発生リスクと牛乳の消費量との間には相関があることが明らかになりました。つまり牛乳をよく飲む人ほど乳がんになりやすいということが明らかになったのです。
一般的な乳牛は大きくホルスタイン牛とブラウンスイス牛に分かれます。スイスアルプスでは急斜面での放牧になるため、ホルスタイン牛は放牧に向かないため、国策で禁止されています。
ホルスタイン牛は牛乳を大量に生産できるように、品種改良された牛で、常に乳を産生するようにボバインというホルモン剤をずっと投与されています。さらには乳腺炎を予防するために抗生剤が投与されています。このような環境下で生産された牛乳を私たちは飲まされているわけで、そのような事が原因となり、牛乳の消費量と乳がんの発生の間には相関関係があるのではないかと考えられています。
本物の情報を見極める
世の中には多くのダイエット法があります。糖質制限ダイエット、16時間断食ダイエット、筋トレダイエット、有酸素運動ダイエット、カロリー制限ダイエットなどなど、たくさんの情報がネット上に溢れています。
効果があると聞いてはじめてみたものの、続かなかったり、リバウンドを繰り返したり、どれが自分に合っているのかわからず、困っている方が多くいらっしゃいます。
同様に成人病を予防し、健康な体を手に入れようと、健康投資をしようとしている人たちも同様の問題に直面しています。
世の中には間違った情報や、古い情報、個人的な意見などたくさんの情報が流れており、中には本当に重要な情報が国や企業によってマスクされ、隠されてしまっている場合もあります。日本だけでなく、海外にも目を向けて、本当に正しい情報を見極める能力が必要となります。これからの人生を健康で過ごすためには、病気の予防が必要不可欠であり、自分の体にあった生活習慣の改善や運動、生活管理が必要となります。
これまでの30年以上にわたる歯科医療の経験の中で、流行りや最新の技術に惑わされる事なく、エビデンスに基づく医療を実践し、当たり前のことを確実に実行することが最善の結果につながることを身を持って体験してきました。
虫歯や歯周病は生活習慣病ですので、その場限りの対応では再発を繰り返し、いずれは歯を失う事につながります。医療者側が正しい情報を見極めて伝え続ける事で、患者さんの中に予防の意識が育ち、負の連鎖が断ち切られます。
今回も同様に、これまで学んできた多くの情報の中から本物を見極め、最新の情報にアップデートして、皆様の健康を守るために必要なオーダーメイドの情報をご提供するサービスを始める事にいたしました。
健康投資のススメ
健康は当たり前のものではありません。ほとんどの人が病気になって始めて、健康のありがたさに気が付きます。生活するのに精一杯で、医者にかかることができない人もいます。給料は上がらず、物価高にあえいでいます。優先順位的に生活基盤の維持が優先で、収入が増えたら、貯金や金、不動産、株式投資に回している人が多いと思います。
保険医療制度は限界を迎えており、医療従事者に満足な給料を支払うことが出来ず、多くの医療機関が赤字になっています。
遠くない将来、医療機関が減り今までと同じように医療機関にかかることが難しくなります。病気になれば病院に行って、治してもらうという事ができない世界になるかもしれません。
がんになると、苦しい治療と高額な医療費がかかります。表はがんになった時にかかる平均的な治療費を示したものです。がん保険に入っている、もしくはお金が十分にある人でも厳しい生活になります。
これらの問題を回避する唯一の解決方法が、病気にならないように予防する事です。日本人の体に起きている正しい情報を知る事がとても大切です。
私たちの体は食べている物で作られています。健康な口腔環境を作り、体に良い食べ物を摂り悪い食べ物を避けることが、絶大な効果を発揮します。
とかじ歯科では、病気を予防するための情報をお客様に提供して、一人でも多くの方の老後を笑顔にしていきたいと考えています。
健康長寿は歯科から始まる
口腔と胃、腸は1本の消化管でつながっていて、多種多様な菌が生息しています。
この体内常在菌の状態が良ければ、心身ともに健康で元気な体になりますし、状態が悪いと疲れやすく病気になりやすい体になります。近年の研究で、この体内常在菌の状態は、口腔内の常在菌のバランスが大きく関係していることが明らかとなっています。
虫歯や歯周病のある口腔内では、悪玉菌が増えてバランスが崩れている状態で、唾液や食事と共に悪玉菌が消化管に流れていき、腸内細菌の状態が悪化してしまいます。
体内の常在菌のバランスを良くするためには、口腔内の悪玉菌を減らす事、すなわち口腔内ケアが大切になってきます。
腸内細菌と健康長寿
私たちの腸内には500種類以上100兆個以上の菌が住んでいると言われています。
菌は大きく以下の3つに分類されます。
- 善玉菌:食べ物を分解したり、免疫細胞を活性化させたり、体の状態を良くする。
- 悪玉菌:腸内のタンパク質を分解して有害物質を作ったり、善玉菌がやっつけられなかった病原菌を撃退する。
- 日和見菌:普段は悪さをしないが、勢力の強い方につく。善玉菌が多い時は善玉菌の味方になり、悪玉菌が多い時は悪玉菌の応援団になる。
善玉菌:悪玉菌:日和見菌の理想的な比率は、2:1:7と言われています。
善玉菌は赤ちゃんの時の最も多く、離乳と共に日和見菌や悪玉菌の割合が増えていきます。1〜2歳でその人の持つ腸内環境が完成すると言われています。
乳児の時は善玉菌が多く、最も腸内環境が良い状態なのですが、睡眠不足や過度のストレス、運動不足、偏った食生活、抗生物質の常用などで腸内環境が荒れていきます。腸内環境が悪化すると悪玉菌が作り出す有害物質で腸内に炎症が起こります。すると下痢や便秘、過敏性腸症候群などの腸のトラブルが起こります。それが続くと大腸がん、潰瘍性大腸炎、クローン病、リーキーガット症候群などの深刻な腸の病気を招く事になります。特に60代以降は善玉菌の数が激減します。
免疫細胞の60%は腸に存在していて、腸管免疫で有害な細菌や物質から身を守っています。この免疫システムを教育、活性化したり、強化する役割を担っているのが善玉菌です。教育ができずに敵か味方かの判別がうまくいかないと、免疫システムが誤作動を起こします。その結果おこるのが卵や小麦の食物アレルギー、花粉アレルギーです。
善玉菌が多いと免疫システムがしっかりと働いてくれますが、大腸菌などの悪玉菌が増えると、免疫力が低下して下痢や風邪などの感染症にかかりやすくなり、アレルギーを発症しやすくなります。
さらには腸内環境の悪化は、有害物質や細菌が腸から血流に乗って全身に送られ、糖尿病やがん、認知症などの生活習慣病、アレルギー、うつや不眠、肌荒れ、冷えなど様々な病気のリスクも高まることがわかってきています。
バクテリオセラピーとは
社会構造の変化や食生活の変化が腸内細菌のバランスを悪化させ、かつてはあまり見られなかった潰瘍性大腸炎、クローン病、リーキーガット症候群などの腸の炎症による病気が増える結果となっています。乳児期に善玉菌を受け取りにくくなっていることもその原因のひとつと考えられています。
これらの問題を改善するために、善玉菌を外から補充するバクテリアセラピーという考え方が提唱されました。
使用される菌は生きた善玉菌であり、天然由来のものであること。胃酸に負けず、生きて腸まで届くこと。市販されている食品やサプリメントのほとんどは、胃酸で死んでしまいます。善玉菌が腸で増殖してくれれば、日和見菌が味方をしてくれます。
腸脳相関
腸には2〜6億個の神経細胞が存在し、独自の神経ネットワークを形成しており、脳とコミュニケーションをとっていることが明らかになってきました。神経細胞1000億個の脳との間に互いに連絡を取り合う「腸脳相関」の関係によって互いに連絡を取り合い影響を及ぼしあっています。
善玉菌が不安や抑うつ状態を軽減することや、腸内環境の悪化により記憶障害が生ずること、アルツハイマー型認知症の患者さんの腸内環境が悪いことなどが報告されています。