歯周病治療例その1


歯周病治療例その1


<症例1>36歳女性


若年生歯周炎が放置されていたケース

1)主訴:歯がグラグラして噛めない

2)診断:若年性歯周炎

3)年齢・性別:36歳・女性

4)抜歯部位:右上6番7番、左下7番、6番近心根

5)治療計画:全顎の非外科治療(スケーリング&ルートプレーニング)>再評価>歯周外科治療>再評価>補綴治療

6)治療期間:約1年

7)治療費:約150万円

8)リスク:歯肉退縮による根面カリエス、知覚過敏、歯髄炎のリスク

36歳の女性。前医から歯周病は磨くしかないといわれて、プラークコントロールを一生懸命してきたが、ここ5年くらいで前歯の歯茎がやせて歯の動揺がひどくなってきたため、来院された。歯肉縁下についている歯石などの感 染源の除去がなされていないため、歯周病が進行してしまったことを説明し、治療の必要性をお話ししたところ、「歯周病は治るのですか!もう治らないと思っていました。」と驚かれた。このような不幸な患者さんを作ってはならないと思う。


初診時口腔内(2002年3月30日)

初診時レントゲン写真

初診時レントゲン写真

全顎にわたる中等度から、部位によっては重度の骨吸収が認められる。中切歯と第一大臼歯付近の骨吸収が多いことから、おそらくは若年性歯周炎ではじまり、広汎性に移行する途上であると、推測される。右上6,7番は根尖付近まで骨がないため、抜歯をすることにした。


歯肉縁下には多量の歯石が付着している。

歯周病手術時

歯周外科手術時

初診時のポケットの値(3mm以下は記載していない)

初診時のポケットの値(3mm以下は記載していない)


右下第1大臼歯近心根および第2大臼歯は根尖近くまで骨が無かったため、抜歯して、第1大臼歯遠心根と第3大臼歯を保存することにした。こういうケースに出会うと、親知らずだからとむやみに抜くべきではないと思う。8番は立派にブリッジの支台歯としての役割を果たした。

歯周治療終了時(2003年5月8日)

メンテナンス時(2006年11月4日)

治療終了時レントゲン写真

治療終了時レントゲン写真

とかじ歯科医院院長:戸梶 仁聡のプロフィール写真

この記事の著者・監修者

院長:戸梶 仁聡(とかじ ひろあき)

歯科医師になって30数年間、自分の理想とする【患者さんのための歯医者】を求め続けてここまでやってきました。

資格・所属学会

  • 日本矯正歯科学会認定医
  • 歯学博士
  • 上智大学カウンセリング研究所認定カウンセラー
  • NCC認定カウンセラー
  • 日本矯正歯科学会
  • 日本歯周病学会
  • アメリカ歯周病学会

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