この記事の著者・監修者
院長:戸梶 仁聡(とかじ ひろあき)
歯科医師になって30数年間、自分の理想とする【患者さんのための歯医者】を求め続けてここまでやってきました。
資格・所属学会
- 日本矯正歯科学会認定医
- 歯学博士
- 上智大学カウンセリング研究所認定カウンセラー
- NCC認定カウンセラー
- 日本矯正歯科学会
- 日本歯周病学会
- アメリカ歯周病学会
上顎をフルブリッジで補綴したケース
1)主訴:奥歯が痛くて、物がかめない
2)診断:重度成人性歯周炎
3)年齢・性別:58歳・女性
4)抜歯部位:左上6番
5)治療計画:全顎の非外科治療(SRP)>再評価>補綴治療
6)治療期間:約半年
7)治療費:約180万円
8)リスク:歯肉退縮による根面カリエス、知覚過敏、歯髄炎のリスク
58歳の女性。左上の6番がぐらぐらして、痛くて咬めないとの事で来院された。右上の6番7番の大臼歯はすでに歯周病で失われており、部分床義歯を作ったが、違和感と痛みのためはめておくことが出来ず、使っていない。そのため、主に左側で咬んでいたが、今回左上の6番が痛くなり、食事が出来なくなってしまった。
初診時口腔内(2006.03.14)
初診時レントゲン写真
全顎にわたって中等度~重度の骨吸収が認められる。歯周検査の結果、左上6番は根尖付近まで骨がなく、分岐部病変も伴っているため、7番への影響も考慮して、抜歯をすることにした。
歯周治療終了時(2006.08.16)
歯周治療終了時レントゲン写真
上顎右側8番を抜髄して支台歯として用いることにした。その結果、左側7番から右側7番までのフル連結のメタルボンドブリッジを装着することが出来た。
治療終了時(2006.10.4)
治療終了時レントゲン写真
1年に数回のメンテナンスを継続してきたが、条件の悪かった上顎最後方歯の炎症をきたすことはあったものの、歯を失うことなく経過してきた。しかし、地方に転居することになり、転院されることになった。
2021年2月 最後の定期検診時の口腔内写真
最終メンテナンス時のレントゲン写真
上顎前歯は2本根尖病変が生じたため、根管治療を行っている、左下6番遠心根は一度外科的に根面についている石灰化物を除去したが、またコブ状に増殖して沈着を起こしている。セメント質腫か?
歯科医師になって30数年間、自分の理想とする【患者さんのための歯医者】を求め続けてここまでやってきました。
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